コラム
2020年8月25日 研究情報の公開について
- 同意の取得について
人を対象とする医学系研究に関する倫理指標(2014年12月22日)第12の1(2)イの規定により、研究者等は、被験者からインフォームド・コンセント(説明と同意)を受けることを必ずしも要しないと定められております。そのため今回の研究では患者さんからの同意取得はせず、その代わりに対象となる患者さんへ向けホームページで情報を公開しております。以下、研究の概要を記載しておりますので、本研究の対象となる患者さんで、ご自身の情報は利用しないでほしいなどのご要望がございましたら、大変お手数ですが下記のお問い合わせ先までご連絡ください。
- 研究課題名:
慢性心不全患者のフレイル実態調査
- 研究責任者:岩﨑孝俊
研究分担者:林大二郎、倉田裕子、小林琢
- 研究の意義と目的:
近年、高齢心不全患者さんの再入院や予後に関わる要因としてフレイル(虚弱)が関連することが明らかになってきました。心不全で入院された後、身体機能がどの程度回復したか、を調査することは高齢心不全患者さんの予後の改善のためにも重要なデータとなります。日本心血管理学療法学会では、下記の3点を当面の目標とし、全国多施設で研究を実施いたします。
(1)循環器理学療法を受ける心不全患者のフレイル有病率を明らかにする
(2)入院前の身体機能まで回復しないまま退院する心不全患者の割合を明らかにする
(3)高齢心不全患者の予後とその関連因子を調査する
- 観察研究の対象:
本研究の対象となる患者さんは、西暦2020年8月1日から西暦2022年3月31日の間に、リハビリテーション科で理学療法を受けた65歳以上の心不全の患者さんです。利用させていただくカルテ情報は下記です。
①患者さんの基本情報:年齢、性別、身体計測、介護保険認定、独居・支援
②医学的情報:診断名、既往歴、心臓超音波検査(LVEF、LAD)、血液データ(血清Cre、Alb、BUN、eGFR、CRP、Hb、Na、BNP)、治療方法、治療経過
③理学療法評価:入院前の生活機能(厚生労働省「基本チェックリスト」)、入院中の身体機能評価(Short Physical Performance Battery、握力、通常歩行速度、上腕・下腿周径)、日常生活動作(Barthel Index、Functional Independence Measure)フレイルの有無(日本版Cardiovascular Health Study Index)、理学療法の内容(実施期間、実施単位数、理学療法の内容)
④予後・退院先:転帰先、死亡の有無と生存日数、死因、再入院・再発の有無と日時(心血管疾患およびその他の原因)、在院日数、外来理学療法の有無
- 研究実施期間:西暦2020年8月1日~西暦2022年3月31日
- 被検者の保護:
本研究に関するすべての研究者は、ヘルシンキ宣言(2013年10月WMA
フォルタレザ総会[ブラジル]で修正版)および人を対象とする医学系研究に関す
る倫理指針(2014年12月22日)に従って本研究を実施します。
- 個人情報の保護:
患者さんの情報は、個人を特定できる情報とは切り離したうえで使用します。
また、研究成果を学会や学術論文で発表しますが、患者さん個人を特定できる個
人情報は含みません。
- 利益相反について:
本研究は、日本理学療法士協会からの研究資金を受けて実施します。
本件研究の責任者および分担者には開示すべき利益相反はありません。
- お問い合わせ先:
みなみ野循環器病院 リハビリテーション科
電話:042-637-8101
研究担当者:岩﨑孝俊