コラム

2020年6月4日 東京都の緊急事態宣言解除を受けての診療体制について

525日、東京都も緊急事態宣言が解除されました。ひとまず、東京はじめ、全国の感染者数が4月中旬と比べて落ち着いてきたことに胸をなでおろしていましたが、この数日で感染者数がまた増加傾向にあり、「東京アラート」も発令されたばかりです。本格的な第2波発生の懸念もあり、今後は、小池百合子東京都知事が宣言したように「ウィズ・コロナ」(新型コロナウイルスとの共存)がテーマとなるのでしょう。

 

 幸い、今日に至るまで当院の職員や関係者が新型コロナウイルス感染症に罹患することなく、医療機関としての機能を十分保ちながら診療行為を行うことができております。心臓病をお持ちのみなさんを最大限守り、また、待合室等病院での感染を防ぐため、胸部(心臓病の)症状以外の感冒症状、発熱、下痢、嘔吐などのある方にはより適切な医療機関等をご案内させていただいたり、症状の安定している方には電話等による診療(「電話再診」)をさせていただいたりいたしました。「電話再診」の際には、みなさんからたくさんの応援メッセージをいただきました。本来でしたら、お一人おひとりにご協力いただいたことへの感謝をお伝えしたいところですが、この場を借りて、みなさんに感謝申し上げたいと思います。おかげさまで当初掲げた指針のひとつである「心臓病をお持ちのみなさんが安心していつでも診療を受けられるよう態勢を整える」という目的は守られています。

 

緊急事態宣言解除後の、“新型コロナウイルスとの共存”というテーマは、今後少なくとも数年間は続くのではないかと思われます。新型コロナウイルス感染症以前に戻ることは簡単ではありません。だからこそ、新たな診療体制を整え、私たちにとっての“新型コロナウイルスとの共存”を行っていきたいと考えます。医療法人社団健心会といたしましては、通常の診療を行いつつ、心臓病をお持ちのみなさんへの質の高い医療サービスを提供し、さらに、新型コロナウイルスに関連する心臓や血管の病気とも向き合っていきたいと考えております。職員一同、改めて感染予防策の徹底をすると同時に、新型コロナウイルスの診断に必要な検査については可能な限り協力病院と連携していきます。こういう時だからこそ、私たち、医療法人社団健心会は、医療の新たな地平を拓くつもりで、みなさんにとって有益な医療をお届けできるように歩み続けたいと思います。

 

第一稿 令和263

医療法人社団健心会 理事長 幡 芳樹