コラム
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2017年9月8日 「60代以降・生活習慣病」の場合、突然死のリスクはかなり高まる
ここまでご紹介した胸痛、息切れ・呼吸困難・喘鳴や動悸・不整脈、むくみ、関連痛、突然死の「予告」となりうるものを挙げてきましたが、これらは決して心臓の病気にしか起こらない症状ではありません。ほかの病気の可能性もありますし、調べても心臓に異常はなく、原因がわからない場合もあります。
実際に、当院に胸痛や息苦しさを訴えて受診にこられる方のうち、10人に8~9人は、検査をしても心臓や血管に異常は認められず、緊急を要する病気はないことがわかり、ホッとしてお帰りになっています。胸焼けだったり、過労やストレスによる一時的な症状だったりということも多々あります。
これは身体のほかの場所でもよくあることです。
例えば肩こりや膝の痛みであれば、よほどつらかったり、今まで経験したことのない痛みだったりすれば別ですが、たいていは2、3日様子を見てみよう、ということになり、その間に楽になっていることが多いものです。
しかし胸の痛みとなると、場所が場所だけに、肩や膝よりは心配になる人が多いでしょう。膝の痛みならしばらく放っておこうという人でも、胸が痛いとなると心臓が悪いかもしれないから病院で診てもらおうか、となりやすいわけです。そのようなことから、受診をしても特に異常が認められない人が相対的に多くなるのではないかと考えられます。
しかし、だからといって、自分が「10人の中の1~2人」に絶対入らない保証はありません。過度に心配するのも考えものですが、甘くみてもいけないのです。特に、60~70代で、高血圧や糖尿病といった生活習慣病があったり、喫煙の習慣があったりすると、心臓の病気のリスクはかなり高まるからです。
病気を予防するため、まずは生活習慣を正すことからはじめてみましょう。