コラム

コラム

2018年3月3日 【健康な心臓を取り戻す生活習慣・食事編】まずは「腹八分目」を心がけよう

メタボや生活習慣病を指摘されたのをきっかけに、それまでの食事の内容を見直す人は多いようです。いわゆるダイエット本を参考にするなどで、カロリーや塩分の制限を始めてみたり、栄養に気を配ったりという経験がある人もいるのではないでしょうか。

もちろん、非常に好ましい取り組みです。ただ、減量を始めたばかりの段階であまり細かいことを気にしすぎるのも、かえってそれがストレスになってしまわないかと、個人的には懸念しています。

私が今まで診てきた患者さんの中に「小食で肥満」の人はまずいません。ご本人は、普段食べている量がせいぜい人並みと思っていても、たいていの場合食べ過ぎていると考えていいでしょう。減量を思い立ったら、最初からあまり糖質がどうとか、脂質はどのくらいがいいのかなどと考え込まず、まずは食事の総量を減らしてみることから始められるといいのではないかと思います。できるだけシンプルなやり方、難しいことを考えずに手軽にできるやり方からトライするほうが、ストレスも少なく楽しみながら減量できると思うからです。やってみて、もし期待するほど減らなかったら、もう少し細かい戦略を立てればいいのです。

「腹八分目」で箸をおく

目安としては「腹八分目」。もう少し食べたいけれど……の時点で箸をおくのがポイントです。一般的に、食事開始後20分で、脳の視床下部にある満腹中枢が血糖値の上昇を感知し、食欲がおさまっていくので、一口を少なめにしてよく噛み、ゆっくり食べるようにすれば、無理なく食事の総量を減らせるでしょう。

おかずを大皿に盛って、取り分けて食べるよりも、皿に1人分をあらかじめ取り分けておくのも食べすぎを防ぐ工夫の一つです。ご飯も、おかずも、以前よりやや少なめを心がければ、それが腹八分目の適量になるのではと思います。

少しずつ、「腹八分目」の習慣をつけ、慣れていきましょう。