コラム

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2022年9月8日 不整脈で認知症に⁉【不整脈】

今回は心房細動と認知症のお話をします。

人口の高齢化に伴う認知症の増加は、大きな社会問題になっています。認知症には様々な原因がありますが、予防が出来たらいいですね。近年、心房細動と認知症の関連が注目されています。

心房細動があると、血液を十分に送り出すことができなくなります。脳への血流量が減ると、認知症の原因物質とされているアミロイドβ(ベータ)などの老廃物を、脳で分解したり、脳の外へ排出することが滞り、認知症の発症が促進されると考えられています。また、心房細動では血液がよどんで血栓ができやすくなります。血栓により脳の血管が詰まると脳梗塞になり、血管性認知症を起こす可能性が高くなります。血管の老化や機能低下が進んでいる可能性のある高血圧、糖尿病、心臓の機能低下、脳梗塞の既往のある人や、75歳以上の高齢者では、心房細動により血栓ができやすいとされています。このような方に心房細動が発生した場合には、血液が固まることを防ぐ薬(抗凝固薬)を処方します。また、心房細動そのものへの治療については、次回お話しします。脈の不整に気づいたら、ぜひ一度ご相談にお越しください。