コラム
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2022年8月5日 不整脈と心不全は悪循環【不整脈】江島浩一郎
今回は心房細動と心不全のお話をします。
人口の高齢化に伴い、心不全を発症する方が増え続けていることが、大きな社会問題になっています。心不全とは、身体が必要としているだけの血液を送り出せない、血液がうっ滞する状態です。息切れ、つかれやすさ、足の浮腫みなどの症状が出て、入院治療が必要な場合もあります。心房細動では血液の流れがスムーズでなくなり、心臓から押し出される血液の量が減り心不全となります。心不全と同様に、心房細動も年齢とともにその頻度が増えます。心房細動から心不全となる場合もあれば、心不全から心房細動となる場合もあります。心房細動と心不全は、それぞれの状態を悪化させる関係にあるため、その悪循環を断つ必要があります。心不全の治療のために入院すると、長期にわたりベッドでの安静が必要となるため、高齢の方では身体能力が低下することになります。心房細動を早い段階で適切に治療し、心不全の発生や悪化を防ぐことが出来れば、長期の入院治療をせずにすみます。動悸、息切れを感じる場合だけでなく、検脈で脈の乱れに気づいた場合も、ぜひ一度ご相談にお越しください。