患者さんへ
治験とは
人を対象に有効性や安全性等を調べる試験を一般に「臨床試験」と呼んでいます。
その中でも、国から薬として承認を受けるために「薬の候補物質」を用いて実施される臨床試験のことを「治験」といいます。
治療を行うためのルール
『薬事法』とこれに基づいて厚生労働省が定めた基準『医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令』に従って行われています。治験に参加する患者(被験者)は、その内容などを充分に理解・納得した上で、文書により同意すること(インフォームドコンセント)が必要です。また、いつでも理由なく辞退することができ、辞退による不利益を被らないことが保証されています。
インフォームドコンセント
- 治験の内容
(目的・治験薬の使用方法・検査内容・参加期間など) - 期待される効果や副作用の可能性
- 副作用による被害を受けた場合の補償
- 治験への参加はいつでもやめることができ、その場合でも不利益は受けないこと
治験に参加するには
診療の経過中、担当医師から治験への参加をお願いされることがあるかもしれません。その際は担当医師や治験コーディネーターから十分な説明をします。ご不明な点があればすべてお答えいたします。ご興味・ご不明点がありましたら担当医師にご相談ください。
治験の段階
第1相 | 第2相 | 第3相 | 第4相 | |
---|---|---|---|---|
対象者 |
健康成人 |
患者 |
患者 |
患者 |
症例数 |
少数 |
比較的少数 |
多数 |
多数 |
目的 |
投与量を徐々に増やし、どこまでが安全かを調べる |
有効性、安全性、用法用量を調べる(提案的) |
治験に近い形で、有効性や安全性、用法用量を調べる(検証的) |
重篤な副作用や用法容量の追加検討 |
第1相 | 第2相 | |
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対象者 |
健康成人 |
患者 |
症例数 |
少数 |
比較的少数 |
目的 |
投与量を徐々に増やし、どこまでが安全かを調べる |
有効性、安全性、用法用量を調べる(提案的) |
第3相 | 第4相 | |
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対象者 |
患者 |
患者 |
症例数 |
多数 |
多数 |
目的 |
治験に近い形で、有効性や安全性、用法用量を調べる(検証的) |
重篤な副作用や用法容量の追加検討 |
医療関係者へ
当院の実績
対象疾患 | 心不全 | 心血管イベント | 高血圧 | 治療抵抗性高血圧(医療機器) | 脂質異常症 | 糖尿病 | 心房細動 | 閉塞性動脈硬化症 | CKD合併糖尿病 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
受託試験数 | 19 | 6 | 11 | 2 | 15 | 14 | 10 | 4 | 1 |
対象疾患 | 肥満症 | COVID-19 | アテローム動脈硬化性心血管疾患 | RSウイルスワクチン |
---|---|---|---|---|
受託試験数 | 3 | 1 | 2 | 1 |
対象疾患 | 心不全 | 心血管イベント | 高血圧 |
---|---|---|---|
受託試験数 | 19 | 6 | 11 |
対象疾患 | 治療抵抗性高血圧(医療機器) | 脂質異常症 | 糖尿病 |
---|---|---|---|
受託試験数 | 2 | 15 | 14 |
対象疾患 | 心房細動 | 閉塞性動脈硬化症 | CKD合併糖尿病 |
---|---|---|---|
受託試験数 | 10 | 4 | 1 |
対象疾患 | 肥満症 | COVID-19 | アテローム動脈硬化性心血管疾患 |
---|---|---|---|
受託試験数 | 3 | 1 | 2 |
対象疾患 | RSウイルスワクチン |
---|---|
受託試験数 | 1 |
臨床研究
略称 | 臨床研究課題名 | |
---|---|---|
略称 | 臨床研究課題名 | |
REAL-CAD | 冠動脈疾患患者に対するピタバスタチンによる積極的脂質低下療法。 または通常脂質低下療法のランダム化比較試験 |
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OAC-Alone | 冠動脈ステント留置後12ヵ月超を経た心房細動患者に対する抗凝固薬単独療法の妥当性を検証する多施設無作為化試験 | |
AFIRE | 安定型冠動脈疾患を合併する非弁膜症性心房細動患者におけるリバーロキサバン単剤療法に関する臨床研究 | |
J-Discover | 日本の実臨床下における2型糖尿病患者の治療実態調査 | |
AGAIN | 日本人非弁膜症性心房細動患者におけるワルファリンからアピキサバンへの切替時の患者満足度を検討する観察研究 | |
General | 実地医家を対象とした非弁膜症性心房細動患者の脳卒中および全身性塞栓症に対するリバーロキサバンの有効性と安全性に関する登録観察研究 | |
MHBP | 高齢者高血圧患者に対するオルメサルタン・メドキソミルまたはアジルサルタン服用時の早朝家庭血圧の検討 | |
AYUMI | トホグリフロジンの安全性および有効性の検討 –前向き観察研究– | |
HARMONY | 非弁膜症性心房細動患者の凝固・線溶能の変動に及ぼす経口第Xa因子阻害薬リバーロキサバンの影響 | |
RESPOND | 日本人2型糖尿病患者における薬剤治療パターンおよび患者報告アウトカムに関する研究 | |
STOPDAPT2 | エベロリムス溶出性コバルトクロムステント留置後の抗血小板剤2剤併用療法(DAPT)期間を1ヵ月に短縮することの安全性を評価する研究 | |
GARFIELD | 脳卒中リスク因子を有する非弁膜症性心房細動(NVAF)患者を対象とした前向きコホート研究 | |
SHIFT-J | 高血圧合併2型糖尿病患者に対するカナグリフロジンの「夜間家庭血圧」に対する影響の検討 | |
ANAFIE Registry | 非弁膜症性心房細動を有する後期高齢患者を対象とした前向き観察研究 | |
MUSCAT-HF | 拡張機能障害心不全合併の2型糖尿病患者におけるSGLT-2阻害薬の心機能への影響の検討; αグルコシダーゼ阻害薬との比較 |
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J'xactly | 深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症の治療および再発抑制に対するリバーロキサバンの有効性および安全性に関する登録観察研究 | |
PENDULUM-mono | 出血リスクの高い経皮的冠動脈インターベンション施行患者を対象としたプラスグレル治療の研究 | |
NOACs | 非弁膜症性心房細動患者における抗凝固薬の製造販売後比較評価研究 | |
STOPDAPT2-ACS | 急性冠症候群に対するエベロリムス溶出性コバルトクロムステント留置後の抗血小板剤2剤併用療法(DAPT)期間を1ヵ月に短縮することの安全性を評価する研究 | |
SCAN-AF | 心房細動潜在患者観察研究 | |
RCR-OAC | 経口抗凝固薬により治療された心房細動患者に対するレトロスペクティブな診療録調査 | |
OPTIVUS | 至適な血管内超音波ガイド経皮的冠動脈インターベンションの複雑性病変における臨床経過を評価する前向き観察研究 | |
OPTIMA-AF | 非弁膜症性心房細動を合併する冠動脈インターベンション施行患者の経口抗凝固薬と抗血小板薬の至適併用療法: 多施設、前向き、無作為化比較試験 | |
STOPDAPT3 | エベロリムス溶出性コバルトクロムステント留置後の抗血小板療法をP2Y12阻害薬単剤とすることの安全性を評価する研究 | |
STAR AF3 | 持続性心房細動(AF)患者を対象とした下記の3種類の異なるアブレーション戦略の有効性を比較する、多施設共同無作為化単盲検臨床試験 (1) 肺静脈(PV)前庭部隔離術単独(PVAI) (2) 肺静脈前庭部隔離術とドライバーのアブレーション(PVAI + ドライバー) (3) 肺静脈前庭部隔離術と後壁隔離術(PVAI + box) |
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ASA-IN | 冠動脈CTまたは冠動脈造影で冠動脈1枝以上に内腔狭窄50%以上の疳動脈狭窄を有するが、冠動脈血行再建の適応とならない慢性冠症候群患者に対しアスピリン投与の有無にて5年間の心血管イベント・出血性イベントの発生率を評価する研究 | |
ベルイシグアト | 標準的な心不全治療を受けている左室駆出率の低下した心不全患者を対象にベルイシグアト(ベリキューボ)を投与し、治療前後の心不全症状および、血行動態指標の変化を評価する研究 | |
REHEALTH AF | 80歳以上の心房細動患者に対するカテーテルアブレーション後の健康寿命、長期予後を明らかにするための多施設共同観察研究 |
ご相談窓口
治験については
こちらにお問い合わせください。
治験責任医師 幡 芳樹
y.hata@minaminohc.jp