心臓CT検査とは
心臓CT検査とは、マルチスライスCT装置で心臓を撮影する検査のことです。撮影した心臓の輪切りの写真をコンピューターで処理して3Dに構築するため、心臓の立体画像を見ながら診断を行えるようになります。
心臓CTには、「心臓単純CT」と「心臓造影CT」があります。心臓単純CTによる検査は、造影剤を使わずに撮影して心臓の血管の石灰化や動脈硬化の程度や心臓周囲脂肪を調べます。一方、心臓造影CTによる検査では、造影剤を血管から注入して撮影することで、血管や血流が豊富な組織が描出されます。画像にコントラストをつけたり、特定の組織を強調したりできるため、臓器をより詳しく見ることが可能です。多くの場合、比較のために心臓単純CTと併用して行われます。
当院では、少ない被ばく量で鮮明な画像が撮影できる新鋭のマルチスライスCT装置を導入しています。このため、造影剤を使わない動脈の石灰化の検査や、従来よりも少ない量の造影剤による冠動脈狭窄の検査、今まで評価困難であった方の冠動脈病変の評価も可能となりました。
検査種類
1.CT検査(Computed Tomography : コンピュータ断層撮影)
X線を身体の全方位から高速に照射し、透過したX線を利用して身体の内部を画像化する検査です。その透過度の違いから、臓器や骨、病変部などを見ることができます。当院で使用しているCT装置は、より高速に照射することができるため、短時間で良好な画像を得ることができます。
2.単純CT検査
造影剤を使わずに行なう撮影です。心臓の血管に石灰化がどれくらい存在するか、動脈硬化を調べる撮影や、内臓脂肪を調べる撮影などがこれに相当します。比較的短時間で検査が終わります。
3.造影CT検査
造影剤を血管から注入して撮影することにより、血管内や血流が豊富な組織が描出されます。このように画像にコントラストをつけたり、特定の組織を強調したりするため、体内をより詳しく見ることができます。比較のためなど、単純CT検査と併用して行なわれることが多く、少し検査に時間がかかります。
検査でわかること
1.冠動脈疾患のリスク評価 【心臓単純CT】
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① 冠動脈石灰化スコア
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② 腹部脂肪計測
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③ 心臓周囲脂肪計測
2.冠動脈疾患の形態評価や機能評価 【心臓造影CT 】
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① 冠動脈評価
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② 心筋性状評価
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③ 壁運動評価
3.心臓の形態評価 【心臓造影CT 】
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例) 動脈管開存症
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例) 弁評価
4.全身(頭部・肺・腹部など)撮影
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下肢静脈瘤(単純CT)
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透析シャント造影CT
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大動脈造影CT
トレッドミル運動負荷試験とは
ベルトコンベアのような装置(以下トレッドミル)の上を歩いたり走ったりしながら、心電図、血圧の変化をみていく検査です。決められたプロトコルに従いトレッドミルの傾斜角度や歩く(走る)スピードを調整し心臓に負荷をかけていきます。運動は歩くレベルから始め、徐々に運動負荷の強度を上げていきます。
検査でわかること
- 安静状態では出現しにくい狭心症や不整脈の有無
- 運動中の心電図や血圧変化から、カテーテル検査や薬物による治療効果の判定
- 胸痛、動悸、息切れなどの自覚症状が虚血性心疾患によるものか
- 手術を受ける方の心肺機能がその手術に耐えられるか
心エコー図検査
超音波を用いて心臓をリアルタイムに観察し、心臓の動きや大きさ、弁の状態、血液の流れなどを観察する検査です。
検査はベットに左側臥位の状態になり、ゼリーを塗りプローブと呼ばれる超音波を出す装置を胸に直接当てます。心臓をよく観察するために数秒息を止めていただくこともあります。
検査は20~30分程度です。
また予約の方を優先に行います。
検査でわかること
- 虚血性心疾患、弁膜症、心筋症、先天性心疾患など
- 治療方法の選択や治療効果の判定