コラム
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2017年11月3日 突然死の可能性も! “エコノミークラス症候群”と”血栓”の関係
飛行機に乗る機会が多い方は、耳にしたことがあるかもしれません。
エコノミークラス症候群とは、飛行機に長時間乗った後、飛行機を降りて歩き始めたとたんに呼吸困難やショックを起こす病気です。
重症の場合、亡くなることもあります。
長時間にわたって座っていると、下肢の血液の流れが滞り、静脈の中に血栓(血の塊)ができます。飛行機を降りて歩き出すと、血栓が足の血管から離れ、血液とともに肺にたどりついて肺の動脈を塞いでしまうのです。これがエコノミークラス症候群の原因です。
さらには飛行機内の乾燥や低気圧によって体内の水分が蒸発し、血液の粘度が上昇してしまうこともエコノミークラス症候群の原因の一つです。
エコノミークラス症候群は飛行機内でしか起こらない?
飛行機に乗る方にだけエコノミークラス症候群のリスクがあるわけではありません。
例えば、長時間にわたって自動車を運転し続けたり、デスクワークをしたりする状況を思い浮かべてください。これらは飛行機内と同様、長時間にわたって「座っている」状態です。長時間座っていると、下肢(かし)が圧迫される状態が続き、エコノミークラス症候群を発症することがあります。
もっと日常的な場面をみてみましょう。
水分不足になったり、過度にアルコールを摂取したりして脱水状態になると、下肢に血栓が生じやすくなります。これを「深部静脈血栓症」といいます。
生じた血栓は、エコノミークラス症候群と同様、立ち上がったときなどに血液に乗って移動して肺の血管を詰まらせます。肺の血管が詰まると、呼吸困難や動悸が引き起こされます。これを「肺塞栓症」と呼びます。
肺塞栓症の症状は、以下の通りです。
・息苦しさ
・息を吸うときの胸痛
・冷や汗
・脈が速くなる
・失神
つまり、エコノミークラス症候群のみならず、深部静脈血栓症や肺塞栓症についても「血栓」がカギを握っているといえるのです。
当院のCTでは、体内の血栓の有無を精度よく評価することができます。また、血栓だけでなく、肺の血流を画像化し病変の状態を正確に評価することが可能なのです。
従来のCTではこの評価は難しく、他の検査によって評価されていましたが、当院のCTにより一度の撮影で詳細な診断が可能になります。
突然死のリスクを高める血栓
ひとたび血栓ができ始めると、血栓はあっという間に大きくなり生命を脅かすこともあるのです。足のむくみや痛みが気になる方は超音波検査を、上に述べたような症状のある方は専門医を受診し、必要であればCT検査で血栓の確認を行うことをお勧めします。