コラム
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2022年12月1日 酒は百薬の長?【不整脈】江島浩一郎
今回はお酒と心房細動の関係についてお話します。
お酒の飲み過ぎは肝臓だけでなく心臓にも負担がかかり、心房細動の原因となります。心房細動の患者さんには、毎晩晩酌を欠かさない方が非常に多いのです。飲酒と心房細動の関係を調べた研究によると、飲酒の量や頻度が増えるほど、心房細動の発症が増えます。しかし、全く飲まないより週に1、2回飲酒をする方が心房細動の発症が少ないとの結果は、この研究の興味深いところで、体に良いお酒との付き合い方を教えてくれています。心房細動と診断されたら、飲酒をやめると発作を減らすことが出来るとの報告もありますが、治るわけではありません。美味しいお酒は人生を豊かなものにしてくれますが、不安を抱えながら飲むお酒はおいしさが半減しますよね。そこで、心房細動のカテーテル治療をして、病気の進行を抑えつつ、控えめにお酒を続けることが出来ればいいですね。心房細動は、自覚症状がないこともあり、発見が遅れると大変な合併症につながることがあります。お酒がお好きな方は、時々脈をチェック(検脈)してください。脈の乱れがあれば、ぜひ一度ご相談にお越しください。